最大のストレスは夫や妻との死別
人によってストレスの感じ方は様々でしょう。そこでこのストレスをレベル別に分類した学者がいます。45年ほど前の話しですが、アメリカの学者「ホームズ博士」は、人に取っての最大のストレスとは「夫や妻との死別」で、その次が「離婚」、「夫婦の別居」、そして「刑務所に入る事」としました。トップ3が夫婦の別れにともなうことで、これが刑務所に入る事よりもストレスに感じるというのは、いかにも60年代のアメリカならではという感じもします。これを現代の日本にそのまま当てはめるのは少し無理があるかもしれませんね。最近では「夫が定年になって、一日中家にいるから憂うつ」とご相談にお見えになられるご婦人もいらっしゃるほどですから。しかしいずれにしても、近しい人との別離は人に取ってかなりのストレスになる事は間違いないようです。近頃では「ペットロス」と言う言葉も聞かれます。大切にしていたペットと死別することで「うつ状態」になることを指しますが、失う相手がペットであってもこのように「うつ」を起こすくらいですから、大切な人をなくすことは人間に取ってものすごいストレスとなることは想像に難くありません。

喜びもストレス
その一方で、一見うれしい事でもストレスになることがあります。先の「ホームズ博士」の調査によるとストレスの原因として「結婚」が7位「妊娠」が12位「家族の増加」が14位となっていました。確かに「マタニティブルー」「マリッジブルー」という言葉は有名です。就職や入学の後に起こる「五月病」もよく耳にします。いずれもうれしい出来事が起こった後に起こる憂うつな状態を示す言葉として広く一般に認知されていますが、不思議なもので、人はうれしい出来事でもストレスに感じることがあるようです。お金持ちは一見うらやましくも見えますが、持てる人の悩みも多いようで、お金持ちが必ずしも幸せとは限りません。

ストレスが解消できないと…
いずれにしても、このストレスをきちんと解消できないと、精神的に具合が悪くなります。頭の中をストレスがグルグルまわり始め、不安が起こったり、落ち着かなくなったり、意欲がなくなったり、眠られなくなったりと様々な不調が起こることでしょう。さらにこの状態を放っておくと「うつ状態」が発生することとなります。

精神科でできること
精神科では問題そのものの解決は出来ないかもしれませんが、ストレスが引き起こす具合の悪さを改善できます。具合が良くなると頭がスッキリして見通しが良くなり、解決法を見つけることができ、逆に問題そのものを解決できるかもしれません。医療で気分を改善する事はとても良い事だと思います。お困りのときは一度精神科を訪れてみてはいかがでしょう。