精神科・心療内科
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佐賀県鳥栖市萱方町110 TEL:0942-82-7007
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2013年2月号
「消えてしまいたい」と身近な人に言われたとき… |
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ついはげましてしまう
皆さんは家族や友人に「消えてしまいたい」と突然つぶやかれた時、どのように対応するでしょう。「そんなことないよ」「大丈夫だって」「がんばろうよ」「楽しいことだってあるさ」などとびっくりして必死になられることでしょう。それはそのような事を言われると、言われた方も不安になるので当然の事だと思います。ひどい場合は「そんな事を言うもんじゃない」「死ぬ気になるなら何でもできる」なんて事を言ってしまうかもしれません。
大切なのは共感すること
でもそのような事を言われた方はどのように感じるでしょう。人は自ら死を意識する時、かなり追い込まれているはずです。しかもそれを言うという事は、言う相手をかなり信頼して言うのだと思います。つまりその人が求めている事は、はげまし等ではなく、そのつらい気持ちを本当に分かってくれる人に、ただ伝えたいという事なんだと思います。
「そっかぁ、辛いんだね」
その人はそれまでにその人なりのできる事をやってきたはずです。にもかかわらず「死にたい」と思っている訳ですから、そのような人に、はげましを言ったり、気の持ちようなどということを言うということは、その人の努力を否定することになりますし、そのような物騒な考えを共有したくないという否定的な気持ちを暗に伝えているに過ぎません。ですからそのような時は、いろいろ言わずにあせらずしっかりとその人のそばに寄り添ってあげるだけでいいのだと思います。
受診の大切さ
とはいっても人が「死にたい」と言った時、ただ共感したからといって何か良い方向に事が向くとは限りません。そのような時は気持ちが必要以上にネガティブになっているはずですから、そのネガティブな気持ちをきちんと改善するという事が大切になってきます。このようなネガティブな気持ちは結果として脳そのものが活性化を失っている時に起こります。死にたくなった理由そのものを解決できなくても、その結果起こったネガティブな気持ちをきちんと改善する事が必要
です。「病院に行く事は何も特別な事じゃないから」という風に、その人のプライドを傷つける事なく、付き合ってあげるととてもいいかもしれません。医療であれば確実にネガティブな気持ちを改善できることでしょう。
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