いぬお病院 精神科・心療内科
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精神科・心療内科
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INUO MENTAL CARE HOSPITAL

フリーペーパー「リセット」掲載記事

2015年12月号
季節の変化で起きる気分の波「季節性うつ病」

季節で気分は変わるの?
今回は季節における気分の変調についてお話ししましょう。季節によって気分に波が起こるというのは、にわかに信じがたい気もしますが、気分は季節によって影響を受けやすいというのが事実です。とくに我々の住む日本には明確な四季という季節の変化があり、昔からその季節の変わり目に、精神的不調をきたしやすいとされてきました。実際には冷暖房が完備されている現代、気温の変化を実感するのは昔よりも難しくなっているかもしれません。しかし特に春先などは昔から「芽吹きの頃」と言って精神的変調が起こりやすい要注意の時期とされて来ました。

季節の何が影響するの?
季節によって大きく変化をするのは、もちろん気温。そして日照時間です。気温が変化すると、自律神経、つまり交感神経と副交感神経という人間の基本的活動を支配している神経のバランスが崩れやすいと言われています。また日照時間の変化は頭の中に存在する松果体という場所に影響して、メラトニンというホルモンの分泌を変化させます。メラトニンは夜の睡眠、つまり体内時計をコントロールしており、これが狂うと睡眠障害をきたすことになります。人聞がいくら進歩して快適な生活を送っていても、所詮動物。偉大な自然が織りなす、季節の変化に翻弄されるというのが、むしろ自然なのかもしれません。

「冬期うつ病」
「冬期うつ病」という言葉があります。これは先ほどから述べている季節の変化の後、本格的な冬場に入ってから起こる「うつ病」のことを指します。冬になると決まって元気が無くなる。寒くなるとやる気がなくなって、気分がさえなくなる。別名「季節性うつ病」とも呼ばれますが、これは季節の変化の後、特に日照時聞が短くなった事が影響していると考えられています。冬場の日照時聞が極端に短い北欧やロシアでは有名な病気で、これが原因で冬の高い自殺率につながっているとも言われているくらいです。

なぜ冬になると良くないの?
先に述べた通り、我々も動物です。そもそも冬を越す動物は冬眠することが多いことを考えれば、冬場に活動性が低下するのは納得がいく話しではあります。出来るだけ消費するエネルギーを少なくする事で生き延びなければいけない訳ですから。しかし文化的な生活をしている我々人間はそうはいきません。結果、自然の摂理で起こるエネルギー低消費状態が「冬期うつ病」として取り上げられる訳です。冬場の抑うつ気分でお困りの方は精神科でご相談されることをお勧めします。

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