いぬお病院 外観

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病気のこと

ここでは精神科・心療内科に一般的な病気について簡単に説明しましょう。

うつ病

うつ病とはその名の通り、うつ状態になり元気がなくなる病気のことです。
原因は人によって様々で、職場での人間関係、仕事上のストレス、愛しい人との分かれ、自分や家族の病気、経済的負担、離婚、いじめ、暴力、学業不振などなどはっきりと原因がわかっている場合もありますが、特に思い当たる原因もないのになんだか元気がなくなり、やる気が起きなくなったという方もいらっしゃいます。
もちろん原因がはっきりされている方の場合、そのつらい気持ちをお聞きすることである程度の回復は見込めます。
これがいわゆるカウンセリングというものです。
その他の治療として有名なのが、薬を使う方法です。気分の問題を薬を使って治すと言うと抵抗を感じられるかもしれません。たしかにロボットでもあるまいし、薬で気分のコントロールをすると言えば変な感じがします。
では薬でどうやって気分を改善していくのでしょう。
うつを治す薬というのは性格とか、考え方を薬で変えようとしているのではなく、疲れた時に不足する脳内物質を補充することで、脳のスムーズな回転を促し、ネガティブな考え方を改善したり、さえない気分を改善していくのです。
「出来れば薬は飲みたくない」
確かにそうかもしれませんが、私達は人類が生み出した薬という方法も使うことでより早く、より確実にうつを改善していきたいと考えています。科学的に裏付けされた方法で、脳の正常なバランスを取り戻すことは何も悪いことではありません。
私達は医療という立場から、みなさんの一日も早い回復を応援したいと考えています。

うつ病チェックリスト

気分の変化について
□気分が沈む(特に午前中)
□仕事や家事にやる気がでない

行動の変化について
□遊びに行くことが減った
□家の中で横になっていたい

体調の変化について
□眠られない、熟睡感がない
□食欲がない、おいしくない

考え方の変化について
□悲観的に考えてしまう

※3つ以上は要注意

あがり症(社交(社会)不安障害)

最近注目されている病気です。
これまではあがり症、赤面症などといって、性格が小さいために起こると片づけられていました。
人によっては何とか克服しようと、様々な努力をされているようですがなかなか克服できるものではないようです。
実際どんな場面で困るのでしょうか。
たとえば面接や会議。直接誰かの顔を見ながら話さなければいけない時などに起こりやすいでしょう。
しかしそれだけではありません。
みんなとの食事。
結婚式での記帳。
公衆トイレでの用足し。
男性なんかでは、うしろに誰か並んでいるとオシッコが出なくなることもあるでしょう?
その他、ひどい場合には会社で電話を人前で出来なくなるなど深刻な場合もあります。
プロスポーツの世界などでは、イップスといって本番で頭が真っ白になりどうやっていいのか、急に分からなくなることもあるようです。
看護婦さんで緊張のあまり手がふるえて、注射が出来なくなったという方もいらっしゃいました。
このように、いろいろな場面でこの社交不安障害は大きなハンディを与えます。
もちろん誰にでも、緊張することはあることです。
しかし、そのために社会活動が障害されるようになってくれば、きちんと治療した方がよいようです。
「うつ病」「パニック障害」「あがり症(社交不安障害)」の病気についてですが、これらはいずれも脳内物質「セロトニン」の不足によって起こることが確認されています。
要するに脳のバランスが一時的に悪くなっているためにおこると言ったら分かりやすいでしょうか?
そこで登場するのがお薬です。
お薬を服用することで脳内物質「セロトニン」の不足を改善して、脳のバランスを良くすることができます。

あがり症チェックリスト

人前に出ると・・・
□声が震えてうまく話せない
□動悸がして息もしにくくなる
□赤面したり、顔がこわばる
□頭の中が真っ白になる
□人に会うのがおっくうになる

※3つ以上は要注意

パニック障害

パニック障害とは、ある日、突然、パニック状態になる病気のことです。
特に、狭い空間、動き出して停められない空間、例えばバスや電車の中などにいるときに起こることが多いようです。
しかし人によっては広い場所で、人がいっぱい集まっているところや、慣れ親しんだ自宅の中など予想しない場所でも起こることがあるようです。
一度パニックが起こり始めると、呼吸が荒くなり、だんだん意識が遠のき始め、心臓がバクバクなり、もしかしてこのまま死んでしまうのではと、ものすごいパニック状態を味わうことになります。
そのため何日か経った時でも、またあのパニックが起きるのではないかと心配になり、外出できなくなったり、乗り物に乗れなくなったりと大きなハンディキャップを背負うことも少なくありません。
しかし、ご心配なく。
これも脳内物質「セロトニン」のコントロールで確実に治せます。

パニック障害チェックリスト
突然、前ぶれもなく・・・
□ものすごい不安におそわれる
□突然、心臓がドキドキする
□胸が苦しく、息がしにくくなる
□冷や汗をかき、手足が震える
□昔のパニックを思って不安になる
※3つ以上は要注意

統合失調症

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、それも無理はありません。
なぜなら、この「統合失調症」は2002年に新しく作られた病名で、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。
しかし、その病名の与える強烈なインパクトや、不治の病といった悪いイメージのため、改名が求められ、新しい病名に生まれ変わったのです。
確かに昔は良い薬がなく、なかなか治りも良くなかったのですが、今は違います。
この10年をとってみても、かなり治癒率が良くなったように思えます。
症状としては、幻聴、妄想などといった「陽性症状」といわれるものと、物事に関心がなくなり自閉的になる「陰性症状」から構成されます。
この病気は「うつ病」「パニック障害」「あがり症(社会不安障害)」と違い、脳内物質の「ドーパミン」がバランスを崩しているため起こると考えられており、最近でもどんどん最新型の新薬が開発、発売されています。
一番最近では2006年6月に大塚製薬から新薬が発売されたばかりです。