古来、日本では仏教の教えが浸透しているので、禅というものに皆さんもなじみがあることでしょう。
「座禅」と聞くと、どんなことをするのか、容易に想像がつくことだと思います。
しかしキリスト教徒が多い西洋の人達には、この禅のというものの考え方はなじみがなく、瞑想という発想がありませんでした。
お祈りをすることはあっても、心の中をただひたすら空っぽにすることの効用は認められてなかったのです。
そのような中、時代が進むにつれて、この「禅」や「瞑想」の存在に西洋の方々も徐々に気づくようになっていきました。
結果、ZENやメディテーションとして紹介されるようになり、その効果を認識するようになっていったのです。
とは言っても彼らはキリスト教徒ですから、他の宗教の手法を素直に取り入れることはできません。
そこで「マインドフルネス」という言葉が使われ始めました。
つまり宗教の教えとしてではなく、心を整える一つの技法として、瞑想に名前を与え導入しようとしたわけです。
この言葉を使い始めたのは、ジョン・カバット・ジンという人物です。
それをみんなが知るところまでに広めたのがあのグーグルでした。
その他にもアップルコンピュータのスティーブジョブズが、瞑想に興味を示していたのは有名な話です。
このようにしてアメリカのシリコンバレーに住むコンピュータ関係の方々を中心に、このマインドフルネスは広まっていきました。
「マインドフルネス」
今となっては逆輸入された感がありますが、日本の精神科の世界でも有用な治療法として注目され始めました。
いぬお病院もこの効用に注目してマインドフルネスを導入しています。
ただ、本当のマインドフルネスを行うにはかなりの時間と労力を要します。
ですので私達のいぬお病院では、もっと簡単な方法でこのマインドフルネスを取り入れています。
どちらかというと瞑想が主体となったものです。
いぬお病院では毎朝8時40分から、A棟の入院患者さんだけを対象に行っています。
院長と心理士が直接指導しながら行っています。
マインドフルネスを通して気持ちをコントロールする力をつけ、怒りや悲しみ、不安や落ち着かなさを薬を使わず改善できるようにしていきます。
「自分の心の平穏を保つのにとてもいい」と評価はすごく良いようです。